縄が巻かれた小さな丸い石。
そういえば、お寺の飛び石の上や、料理店の茶庭などでポツンと置かれているのを見たことがあるような…。
実はこの石、”関守石(せきもりいし)"と言って、置かれているのにはきちんと理由があるのです。
関守石とは?
役割
関守石(せきもりいし)とは、茶庭の分かれ道に置かれ、”これより先の出入りはご遠慮ください”という立ち入り禁止を表しています。
この石が置かれている場合、亭主がお客さんの出入りを控えてほしいという気持ちを表しているので、踏み越えて先へ行ってはいけません。
また、飛び石がいくつにも分かれている場合には、この関守石が道案内の役割も果たしています。
どちらに進めばいいんだろう?と迷ってしまう時には、足元にも目を向けて、関守石が置かれていない踏み石を選んで進んでいきましょう。
この小さな目印をたよりにして、歩いてみてくださいね。
特徴
丸い石にわらび縄やシュロ縄で十字に結んであるのが特徴です。
石は、直径10〜15cmくらいが一般的です。
中にはゴツゴツと角ばった石や、おにぎりみたいなまん丸石もあったり。
石の形によって関守石の表情も変化するのです。
・わらび縄…わらびの根茎から澱粉を取り除いた後の繊維で作る縄のこと。水に強く、 色が黒いのが特徴。
・シュロ縄…シュロ(棕櫚)で作られた縄。水に強い。
・シュロ縄…シュロ(棕櫚)で作られた縄。水に強い。
雨風に晒されるので、耐水性に優れた縄で作られているんですね◎
”ここから先はご遠慮くださいな”
呼び方
関守石の他には、止め石・留め石・踏止石とも呼ばれます。
また、関守石と同じような役割を果たす関守竹もありますよ。
こちらも関守石と同様に、シュロ縄などが用いられます。
こんな使われ方も!
関守石について調べていると、インテリアとしても用いられていました。
作り方や縄の結び方を紹介している動画もあったので、お気に入りの小石と、縄や紐の用意ができれば、立派なインテリアとして室内にも飾ることができますね。
また、光の反射で変化を楽しめそうなガラスでできた関守石もありました。繊細な美しさを兼ね備えていて、関守石の新たな挑戦を垣間見た気がしました!
まとめ
いかがだったでしょうか?
小さいけれど、立派に道路標識の役目を果たす関守石!
お庭の景観を一切乱すことなく、溶け込みながら立ち入り禁止のお願いを表している控え目な姿に、日本人の趣がひしひしと感じられ、素敵だなぁと思うのです。
そんな私は関守石を見つけると、ちょっぴり嬉しくなって思わず写真に収めてしまいます。
石の形や大きさもさまざまで、ひっそりと佇む姿はなんだか可愛い。笑
まさに一期一会な出会いです。
静かに佇む関守石 |
みなさんも茶庭を訪れた際は、ちょっぴり足元にも目をむけて、言葉を発せずとも静かに見守っている関守石を探してみてくださいね◎
最後までお読みいただきありがとうございました。
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